Life in Amsterdam

サラリーマンクライマー、山のない国でどこを登る?

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Antwerp-Onze Lieve Vrouwkathedraal-

「アントワープはアムスから車で行ける、飯がうまくておしゃれな街だよ。」

アムスへ赴任するまではアントワープという街の名前は聞いたことがあったが、どこにあるのか知らなかった。アントワープはベルギーの北西に位置する港町。小国オランダの南に接する国がベルギーであるため、車でも日帰り旅行可能。何より、「飯がうまくて」が興味を掻き立てた。アムスへ来て数ヶ月、毎日「エサ」並みの飯を食べ続け、「衣食住」の「食」という字を忘れかけてた時期だったからだ。

ちょうど11月初旬に学生時代の友人が、日ごろの激務の合間を縫ってヨーロッパへ旅行に来た。ちょうどその友人もアントワープに興味があるとのこと。ちょうど11月からムール貝の季節になる。目的は違うかもしれないが、これだけ「ちょうど」が揃えば行かざるを得ない。ということでアントワープへ友人と車で日帰り旅行に行ってきた。

アントワープまでは車で約百数十キロ。朝8時に家を出発し高速に乗る。朝から快晴。オランダの空は日本より青く感じる。昨日ワインを飲みすぎたものの気分もいい。10分も経たないうちにすでに田舎の風景が。山のない、ただひたすら広い大地の上で、高速の騒音にびくともしない牛や馬が尻尾を振りながら草を食べている。ひたすら広い大地とひたすら広い空の中を進む。どれだけスピードを出してもあまり早く感じない。
さすがに朝の時間だけあって、反対車線は大渋滞。オランダ南方にあるユトレヒトなどの都市からアムスへ上る車線。「お疲れさん!」と他人事で我が道を進むが、直後に道を間違え、今まで横目で見ていた大渋滞の道を使って引き返す羽目に・・・
なんだかんだでアントワープに付いたのは11時。まっすぐ行けばその半分くらいの時間で到着したはずだが・・・まあよし。

第一の目的地はノートルダム大聖堂。なにやらでかいゴシック様式の教会とのこと。駐車場に車を停め、歩いてその教会を探すもなかなか見当たらない。やっと活動を始めた街には人はまばら。冬の朝の冷たい風が路地を1つ抜けるたびに顔にぶつかる。この近くなんだけどなあ。ちょっと迷い気味。と、突然、鐘の音が。何層にも渡る重厚な音が、込み入った路地に並ぶ家々に反射して聞こえてくる。こっちの方かな?と一本路地を入ると巨大な教会が。
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思った以上にでかい。とりあえず正面と思われるところに回る。人気はない。と、一人、教会から出てきた。そっとそのドアをくぐり中に入ると厳粛で冷たいにおいが立ち込める。
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当然ではあるが、中も広い。何本もの石柱が、白いカーテンのように縦のラインを生み出し、高い天井を一層高く見せる。光の入り方まで計算された設計。この高さ、クライマーとして一瞬「登りたい」衝動に駆られ柱に近寄ってみると、結構痛んでいる。地震がない土地でも結構痛むものだなあ。

祭壇近くまで行くとルーベンスの三連祭壇画が飾られる。なるほど、これが、ネロとパトラッシュが最期に見た絵か。そう、アントワープはご存知「フランダースの犬」の舞台となった街。その当時の絵はこうして今も見ることができる。色も鮮やか。修復されたのか?
「キリスト昇架」は生々しく、「キリスト降架」は強く、「聖母被昇天」はやさしい(写真も撮りましたがあえて載せません。是非一度訪れて実際に見てみてください)。

友人は「ネロとパトラッシュごっごをする」とのこと。とりあえずそっと一人にしておくこととする。奥に行くと、背に十分な光を受けたステンドグラスが眩しい。
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祭壇には地下があり、入ってみると、不気味な雰囲気。暗く、湿っぽく、黴臭い。説明を見てみると、葬儀の後に実際にこの場所に遺骨が埋められていた時期があったらしい。数百の遺骨が発掘されたとのこと。なにか息苦しいので足早に退散する。

快晴の空で十分な光を受けた堂内は様々な色が楽しめる。
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冬の時期ということもあって観光客の数も少なく、静かな中、落ち着いて時間を過ごすことができた。最後に祭壇前の椅子に座って休憩。
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やはり観光シーズンを外すのはポイント。友人もパトラッシュを満喫できたよう。十分休んで次の目的地「モード博物館」なるものを目指す。
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食中毒

先週金曜日、食中毒になった。どうやらたまごにやられたよう。
夜中の3時に不快感から目を覚まされ、その後は典型的な食中毒症状。

オランダのたまごはやばい。サルモネラ菌に汚染されている可能性が高いので、生のまま食べるのは御法度。実際スーパーでたまごを買い、パックを開けてみると、羽毛やフンがついていることがよくある。この国の衛生管理とは一体・・・

このことは重々承知しており、今回食べたのはゆで卵だったのだが、それがどうやら古かったらしい。典型的な症状の上に手足の痺れすら感じ、さすがに救急車を呼ぼうと思ったが・・・救急車って何番?119じゃねえよな・・・そもそも今住んでいる場所のストリートアドレス発音できねえ・・・

一睡もできないまま朝を向かえ、とりあえず会社へ一報。午前中は全く動けず。11時ごろになっても症状は変わらないが、どうしても片付けておきたい仕事があったため無理矢理出勤。着いて30分くらいで再び症状悪化。仕事は諦め、病院へ行くことへ。実はこちらに来てまだホームドクターの登録も済ませていなかった。

はじめは「金曜は午後はお休みです」と軽く断られるも、泣きつきなんとか1時に予約。会社の人に病院の場所を紙に書いてもらいフラフラで運転しながら到着。強力な注射か点滴を期待しつつ、ドクターに昨晩体験した惨状を切々と訴えるも、出てきたのはスーパーのレシートのような処方箋1枚。藁をもつかむ思いでその紙切れを握り締め薬局へ。窓口へ出てきたのは面倒くさそうな雰囲気をかもし出すおばさん。病状は悪化の一途をたどっているのに、だらだらと薬を探している。「1日3回飲むように。10.10ユーロ。」とのこと。

漸く家に帰り着き、錠剤を飲むも(1回何錠飲むかの説明も受けていないのでとりあえず2錠)、これがまた全然効かない。体質の違いのせいか?とりあえず横になるものの、熱が高いようで全く眠れず。夜には胃腸の調子も再度悪くなり、さらに熱のせいもあって、また眠れない一夜を過ごすことに。

日曜午前中から漸く眠ることができ、昼過ぎには気分も少し良くなったものの、まだ動ける状態ではない。実は日曜夜は、会社のクリスマスパーティーがアムスのいいホテルで開催されるのであったが、それどころではないので、やむなくキャンセル。

夜になって漸く動けるようになったが、完全に回復するにはもう1,2日はかかりそう。この3日で食べたのはお茶漬けだけなので栄養面も心配。貴重な週末の買い物の時間が潰されたため、今週1週間の食料の心配もある。今回の体験で、異国、特にオランダでの一人暮らしが如何に大変かを思い知らされた。

ちなみにアムスで救急車を呼ぶときの電話は112であった。警察や消防車を呼ぶときも同じ。でも自分の住所はちゃんと言わなくてはならないので、住所の発音練習をすることを心に誓う。

食中毒その後

漸く回復した。昨日までだめだった。
しかし、一番効いた薬が正露丸だった。オランダに来て正露丸で日本人としての自覚を再認識されられることになるとは。
しかし冷蔵庫の中のものはすでに底をつき、レトルト食品に頼る生活になってしまった。1件でもいいからアムスにコンビニがほしい。とりあえず週末までがんばって乗り切ります。
ところで、主婦の知恵というか、簡単に作れる料理などあれば、教えていただければ助かります。基本的に家に帰って包丁は持つ気になれないので、レンジで作れるような簡単なやつ。週末に作って冷凍庫で保存できるような料理がいいです。もしご存知でしたらメールなど送っていただければ非常にうれしいです。

Antwerp-Mode Museum-

ゆでたまごによりしばらく中断していましたが、アントワープ続き。

友人の希望でモード博物館なるところに行く。そもそもファッションについては疎いほう。このようなところにはこれまで一度も行ったことない、というか、ファッションの博物館自体あまりないのでは?

場所はノートルダムから少し南に下ったところ。ガイドブックには載っているが、アントワープ市街地図にはそれらしきものはない。

少し迷いつつも到着。入り口が奥まっていたため分かりにくかった。どんなもんかと思い、奥へ進むと、木材をふんだんに使った真新しい空間が広がる。天井から射す光が木材と壁材の茶と白のコントラストを高め、清潔感を生み出している。この博物館は2002年にオープンしたらしい。どうりで新しいわけだ。受付には品がよく、フレンチ訛りの英語を話すおばさんが。落ち着いた口調で説明を始める。展示品は2階、そこは有料、他は無料らしい。料金を支払い木材が張り巡らされた頑丈な階段を上がる。

2階にも受付があり、そこで手荷物をロッカーへ。写真はだめらしい。中に入ってみるとはじめは(おそらく)アンティークレースを使った作品が展示。木枠で覆われ、一部の窓から作品を覗き込むような設定。窓自体が虫眼鏡のようになっており、作品の細かな作りが分かる。ファッション史についての知識は露ほどもないため、作りの細かさはすごいと感じるが、その芸術性などはいまひとつ理解できない。

奥に進むにつれ、英語のメッセージが壁や床に現れる。「ノスタルジーとは過去の追憶にすぎないのか?」という感じで始まり、ファッションの歴史を隠喩を混ぜながら哲学的に説いている。英語難しい。はっきり言ってあんまり理解できていない。

ちょっとへこみながら更に奥へ進むと、作品が2つの大きな木製歯車の上で回転している。見せ方が面白い。作品自体も統一感はなく、あらゆる時代の作品を無造作に並べてある。中世のアンティークな作品の横には、昨年つくられた作品が。どうやらその世界では名の知れた人の作品がずらっと並んでいる。ヨージヤマモトってのも。

後ろを振り返ると黒のドレスが並ぶ。その中でも際立って綺麗な作品が。特殊な形をしているわけでもなく、極シンプルなドレスであるがその形が非常にすっきりと纏まっており、派手さはないが自己主張している。クリスチャンディオールの作品。派手派手の作品をつくるイメージがあったが、こんなにすっきりとした美しい作品もあるのか。これが最も印象に残った。作品が黒ばかりなのは見る人を作品の形に向かわせるためか?

更に奥に進むと梯子が円形の部屋に放射状に立てかけられ、その梯子の上に作品がある。チャイナドレス風のものや、着物風のものもある。欲を言えばもう少し近くで見せてほしい。

このモード博物館はファッションに通じている人は一層楽しめると思う。個人的にはこの博物館に併設されている書店が最も良かった。あらゆるデザインに関する書籍が所狭しと並ぶ。特に興味を引いたのが建築関係の本。ヨーロッパ各国の近代建築が紹介してある。オランダにも変な形の建築物は多いが(木靴の形をした建物もある)、この本の中ではドイツの近代建築が多く紹介してあった。

実はアントワープはパリやミラノに続くほどのファッションの街。多くのデザイナーを輩出しているらしい。今回行ったモード博物館の建物には王立アカデミー・ファッション科も入っているらしい。確かに街を歩く若い女性は皆お洒落。アムスと正反対。アムスはファッション的に気はヨーロッパの中で底辺を行く。ファッションに興味いある女性は(皆そうだと思うが)、アントワープでこの博物館やファッション関係のショッピングを楽しむことができるでしょう。

Antwerp-Centraal Station-

モード博物館の次はアントワープ駅へと向かう。

ノートルダム大聖堂からアントワープ駅までは西から東へほぼ直線で結ばれる。ここがアントワープのメインストリートといった感じ。多くの店が軒を連ねる。並びを見ると東京のそれと変わらないが、よく見ると店の奥行きがすごい。それぞれ奥行き50mくらいある。やはり利用できる土地に恵まれた国は違う。ここにいる人が東京に来たら、店の狭さに驚くであろう。

ノートルダムから1kmくらい歩くとそれらしき建物が。
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ドーム状の屋根が見えるが、でかい。歩いても歩いてもなかなか到着しない感じ。漸く到着。ここからはもうドーム状の屋根も見えない。とりあえず上がっていくとホームに出る。
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ここもでかい。鉄とガラスが蜘蛛の巣のように張り巡らされて、冷たい雰囲気を出している。
振り返るとANTWERPENと書かれたこれまた立派な門構え。電車に乗ってアントワープに着いてこういう出迎えをしてくれると最高だろうなと感じる。
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そこをくぐると、薄暗く厳粛な空間が広がる。駅であるため人の行き来は多いのであるが、その中にあって、厳粛な雰囲気に包まれている。ノートルダム大聖堂が陽とすれば、ここは陰といった感じ。
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石の階段も独特。映画「Untouchable」の1シーンを彷彿とさせる。
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この場所で休憩も兼ねてゆっくり過ごす。そろそろ腹も減ってきた。ノートルダムの近辺まで戻って夕食を取ることとする。

Antwerp-Moules-

アントワープ駅からまたノートルダムへ引き返す。ノートルダム周辺にムール貝レストランがあるためだ。この旅の最大の目的へ向かう。散々歩き回って疲れているのになぜか足取りも軽い。
ふと振り返ると、夕日を浴びたアントワープ駅が青空に映える。
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ここくらいから気温もぐっと下がる。やはり晴れると寒さが厳しくなる。ポケットから手が出せないくらい。まあ、それだけムール貝がおいしくなるからよしとしよう。
ノートルダムに再度到着。これも夕日を浴びて午前とは違った顔を見せてくれる。
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友人のガイドブックに載っていた店に行ってみるがすでに潰れて空き家。やはりここは競争が激しいのか?ムール貝を出す店は多いため、違うところをあたる。ノートルダム裏の市庁舎にたどり着く。ここにもヨーロッパのにおいのする建物が並ぶ。
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市庁舎の目の前には像があり、水が吹き出ている。しかし、こいつ、なんでこんな格好しているのだ?何がうれしいのか?
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疑問は解けぬまま大聖堂の目の前にある店に入る。冬の時期ともあって人も少なく、落ち着ける。何をおいてもまずムール貝の白ワイン蒸しを注文。ムール貝はよくスペイン料理のパエリアに入っている黒い貝であるが、これを中心に食べるのは初めて。ハウスワインを飲みながら待つこと15分。ビールピッチャーくらいの大きさの黒い円柱鍋が運ばれてくる。中はとムール貝と、セロリやニンジンといった野菜が一緒にぎゅっと煮込まれてある。それとは別に熱いフライドポテトがマスタードの混じったマヨネーズとともに出てくる。白ワインと野菜で貝のくさみは全くない。貝ごと皿にすくい、身をひとつずつ口へ運ぶ。あっさりだが、海の風味が凝縮されている。ハウスワインとの愛称も最高。ムール貝の他にラザニアかなにかを注文していたが、それはそっちのけでムール貝ばかりほおばる。ふと気づくと友人も同じ行動をとっており、しかも貝殻が私より多く目の前に積んである。厳重注意し、ラザニアに気をそらさせ、その隙に貝を自分の皿に積む。あれだけびっしり詰まっていた鍋もあっという間に空になり、底に泳いでいる、殻からこぼれ落ちた身を友人とともにひたすらフォークで刺す。ものの1時間も経たないうちに完食。至福の時を過ごすことができた。これだけ実の詰まった新鮮なムール貝を食べることができる場所は日本にはないであろう。アントワープまでムール貝を食べにきた甲斐があったと心底感じた。

外に出てみるとすっかり辺りは暗くなり、大聖堂がライトアップされている。
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この後、友人の希望でアールヌーボー式の建物が並ぶ通りを車で目指すものの、暗闇とアントワープの入り組んだ街並みのため、徹底的に道に迷う。帰りも遅くなりそうだったのでそこはギブアップ。すまぬ。
帰りは1日の疲れがどっぷりたまった体で運転。友人は横で熟睡。何度か睡魔に襲われながら10時過ぎに漸くアムス到着。帰ってすぐに寝たが翌朝も疲れが残っている。パリへ向かう友人をスキポール空港まで送り、空港の出口が分からず空港内を5周くらい車で周り、間違って高速に乗ってしまい、遠回りして漸くオフィスへ到着。メールが昨日食べたムール貝のようにメールボックスにびっしり詰まっており、一気に現実に戻される。

今度は一人でパリにでも行こうか。

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